2007年7月25日水曜日

地域医療 医療費ランダム


なんとか発表は無事に終わりました。夕方の試験は明日に延期になりました。というのも、糖尿病の講習会に出席するように指示があったからです。日本ですと数ヶ月前からポスターがあり告知されるのが普通ですが、大学が主催する講演会は直前、それも午前中の授業が終わったときにアナウンスメントがあったんです。笑 でもって、急遽夕方の試験が明日に変更できるかどうか担当教授に連絡をとって、講習会へ移動となりました。フィリピンチックでしょう?

僕の通っている大学は、カトリック修道会のイエズス会が運営する大学です。医学部が創設されて24年になります。医学部を開設するきっかけは、イエズス会の司祭がカミギン島からかえりに遭遇した病気のこどもとの出会いからでした。(カミギン島は、先週に掲載した美しい海のある島です。)
当時、カミギン島にはまともな医療施設がありませんでしたので、近くの国立病院のあるカガヤン•デ•オロまで移動するしか方法がありませんでした。当時は道も悪く、船とバスを乗り継いでくることは現在よりも大変だったそうです。
病気の親子があまりにも痛々しく、司祭はそのときに誓ったそうです。かならず将来こうしたこどもにもまともな医療を受けられるように医学部を創設して地域医療に貢献する医者を育成することと。

そんなこともあり、創設以来、地域医療へのウエイトが大きいのが特色です。

医学部と同じ建物のGerman Doctorsという医療組織が入っています。目的は、貧困層への無料医療の提供です。一年生は患者さんの問診をとることから地域医療のトレーニングがはじまります。おもにビサヤ語で会話しないといけないので、結構大変です。フィリピンは英語が公用語となっているので英語を全く理解できない訳ではないのですが、やはり現地に普通に話されているビサヤ語の方がらくだと思います。

問診をとる以外に、空港近くの村へ行き、健康調査をすることになっています。これまた結構面白い体験でした。結構日本人が想像するようなジャングルです。

German Doctorsが活躍しているように、ここフィリピンでは富裕層と貧困層とのギャップが日本では想像もできないくらいはなれています。富裕層が受けられる医療技術は日本の先端医療とかわらないように思えます。貧困層の場合はどうかといと、医療を受けたくとも受けられないというのがほとんどです。そんなこともあり、こうした無料診療を行っているところに到達できても、手遅れというケースも多いのが現状です。むろん、日本のような国民皆保険はないので(Phil Healthという保険制度がはじまったのですが、まだまだ浸透できていないのと、カバーされる率も低いです。)、病気になったらそれこそ、借金をして病院へ通うか、病気のあるがままを受け入れるか、あるいはまじない師を呼んだりするようです。

そんな患者さんが一方で、MRIの画像診断受けられる患者さんがいたりします。だいたい8,000ペソから15,000ペソくらいのようです。日本円にして、21,000円から40,000円くらいの間でしょうか。ちなみに看護師の初任給が手取りで3,000ペソ(8,100円くらい)ですので、日本の1/20くらいになるので、感覚的には、MRIの料金は50万円から100万円くらいに相当すると思います。

明日も、貧困層の患者さんの待合室をくぐり抜けて授業を受けてきます。

朝一の授業は組織学です。

http://web.uni-frankfurt.de/Aerzte-3Welt/english/die-news-1.html
http://web.uni-frankfurt.de/Aerzte-3Welt/english/index.html