2010年2月22日月曜日

急性硬膜下血腫

こんばんは、みんな元気にしてる?

さて、朝日新聞の記事を読んで思い出したことが、、

【TKO負け後、緊急手術のボクサー死亡】
日本ボクシングコミッション(JBC)は22日、東京・後楽園ホールで19日に行われた8回戦でTKO負けした後、急性硬膜下血腫で緊急手術を受けた八巻裕一選手(26)=野口=が22日に死亡したと発表した。JBCによると、国内試合での死亡事故は、1952年にJBCが発足してから37件目。
http://www.asahi.com/sports/update/0222/TKY201002220284.html

名古屋に住んでいるときに、ラグビーの試合で一度強く打ったことがありました。ライン際でタックルをしたのですが、ライン際近くがコンクリートの側溝あたりで打ちました。土がかぶせてあるのですが、それでも固かったんですが、、、。そこで気を失って水をかけられて、今何をやっているかわかるかと聞かれたんだけど、「タッチフット」なんて答えたものだからみんな慌てて、工場の救急車で近くの総合病院へ運ばれました。日曜日だったので簡単な検査だけで、翌日に必ず脳外科で受診するように言われました。

帰りに原付を置いて帰るように言われたんですが、そのまま名古屋まで帰っても原付をまた取りに帰るのが大変なのでそのまま23キロの道のりを帰りました。途中で何となく試合の疲れもあったのか後輩の家に立ち寄って寝かせてもらいました。後輩も心配しますよね、状況が状況だったので、、、夜になっちゃったので、そのまま家へ戻りましたが、頭が痛くて寝ちゃいました。翌朝も何となく頭が痛かったので、近所の大学病院へ行きました。検査をすぐにしてもらったところ、すぐに入院と言われてびっくりしました。

というのも、素人が見ても「あーーあ、、、、あれだ。。。」って分かるような血腫が出来ていました。幸いなことに保存療法(点滴を毎日して)で一週間で退院することが出来ました。いまこうして医学を学んでいると、過去のいろんな事故や病気のことを思い出して考えてみると、この硬膜下血腫の事故は本当に危なかったなあと思います。

脳神経外科疾患情報ページより
【急性硬膜下血腫の初期治療】
頭部CTなどで急性硬膜下血腫の診断がついた場合、緊急手術に備え準備を行います。CT上に脳の圧排所見があれば緊急手術を意図するのが普通です。意識清明かあるいは、意識障害が軽度でかつCT上の脳圧排所見もないような場合には、その後の状態悪化や手術適応となる可能性を十分認識したうえで、厳重な経過観察と保存的加療を行うこともあります。また、稀には手術を意図しての準備中、あるいは待機中に意識障害が改善に向かう症例があり、このような症例では血腫が自然消退していくものもありますが、例外的な症例と考えられます。多くの症例では意識障害は進行し、かつ急激な悪化をみることが多く、緊急手術によっても救命さえ困難なことも多々あります。

http://square.umin.ac.jp/neuroinf/patient/305.html