2007年7月19日木曜日

フィリピンの医学教育

なぜフィリピンで医学を学ぼうとしたのかと関心をお持ちの方もいらっしゃると思うのですが、不思議な体験に導かれたと申したらよろしいでしょうか。このことについてはまた別の機会にお話しするといたします。

フィリピンの医学教育は日本のそれと大きく異なります。
•大学院大学である。
•全国医学部入学試験をクリアしなければいけない。
•授業は学生主導のPBLである。
•基本的に追試験はない。
•卒業するまでに半分くらいは落第し、放校となる。
•一般的に医学部附属病院を併設していないところが多い。
•新学期は6月で、学年末は3月。夏休みは4、5月である。
などなど。

ひとつひとつを書くと長くなってしまうので、今回は、最初の大学院大学であることについてお話いたします。

日本、韓国、台湾などの医学部をみてみますと、一般教養を含め6年生であるところが主流だと思います。日本ではここ10年くらいの間に学士入学を取り入れているところも多くなってきているようですが、まだまだ高校卒業をした学生を対象にした入学試験ならびに、6年生のシステムに変わりがありません。

フィリピンでは、医学部、法学部はPost Graduateと位置づけられており、日本の大学院に相当します。医学部への進学を考えている学生は、理科系の学部であることが必ずしも必要ではなく、所定の理数系の科目、物理、無機化学、有機化学、生物学、数学などを取得し、全国医学部入学試験(通称NMAT;National Medical Admission Test)を受験した上で、結果を見て、希望校へ入学志願をすることとなります。

僕の同級生の多くは、生物学科、看護学部、臨床検査学科の出身が多いのですが、その他にも英文科、心理学科、経営学科の出身者もおります。

日本のように入学して、全員進級できることもないので、毎日が必死の生活です。